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外国語学習の科学-第二言語習得論とは何か (岩波新書) 白井 恭弘

 

言語はルールで割り切れないという箇所が印象深いです。

学習者は文法的に合っていても、ナチュラルではない文章を作りがちであり、それを避けるために例文暗記が有効であるという。

 

例文暗記の効用を自然さから説明した文章は意外と見たことがなかったので、なるほどと思いました。

著者は例文暗記の材料としてディスコース(会話文)を挙げていますが、なかなか大量の会話文というのはお目にかかりません。特に上級者にとっては。

 

上級者にとっての英語のインプットとしては、読書もポッドキャストもあり、

その点は母国語と同じように、自分の趣味を追求していけばいいのですが、

アウトプットとなると、なかなか思うようにいきません。

アウトプットの動機付けとして、最もメインなものは仕事と生活でしょう。

仕事や生活でアウトプットの必要性が生じればいいのですが、そうでない人間にとっては、アウトプットは手段ではなく目的になってしまいます。

 

洋書の読書などは、インプットの目的が内容理解であり、リーディングはその手段となりますが、アウトプットはそうではないことが多いということです。

 

日本に住み、仕事でも日本語しか使わないような人間がどうやってアウトプットの機会を獲得するかは大きな課題だと思います。